高血圧

血圧測定は実際には、正確を期しがたいものであり、いろいろな条件で変動する。家庭内で自己測定した数字がおそらくもっとも正確に近い。電池と電流と抵抗の関係を連想したら、大体心臓と血流と血圧の関係に近い。我々医者は随時血圧を元に治療するが、血圧が高い状態が、原因は何であれ、長期間続くということが悪いのであるから、差し支えない。高血圧が続くと動脈の壁が厚くなり、内径が細くなり、血流が悪くなるため、さらに高血圧は進行する、あるいは正常化しにくくなると考えられる。高血圧学会推奨の塩分制限６gは私には少し辛いと思われる。いろいろなストレスに抵抗するのに塩分は必要であろうから、10gくらいでもいいのではないか、厳しい塩分制限より手っ取り早く薬を飲むことを進める。高血圧は心筋梗塞、脳梗塞などの原因である。運動したら(ただしきつい運動に限る）、血流の回路が増えて、血圧は下がる。冬場は(寒くなるときは）、血流の回路が減って血圧は上がる。利尿剤は、血液の容積を減らすと言う原理で(実際に減っているかはともかくとして）血圧を下げる。等々。血圧は低いに越したことはない。ところで大部分を占める本態性高血圧は原因不明ということだが、おそらくは精神的な要素が原因となっているであろうと、少なくとも私は思っているが、これを証明するのは難しい。